翻訳を始めたころ
仕事上、かじる程度に翻訳を始めたのが30才のころだったと記憶しています。
(実際には翻訳と呼べるレベルではなかったですが。)
それまでは、まったく興味がないというと嘘になるかもしれませんが、「翻訳」というものに自分が関わりを持つという考え、イメージはまったく持っていなかったと言えると思います。
プロフィールでも書いているとおり、20代後半になんとなくイギリスへ留学し、帰ってきて少し英語の勉強をし、料理をやりたい、お菓子を作りたいだのと好き放題言いながら、でも手っ取り早く仕事にするなら「英語」かなとぼんやりとその方向へ進み始めました。
やり始めるとすぐ、自分の英語力がひどいものだとわかりました。
そして「翻訳」には「英語を読んで理解する」だけではなく、そのための特別な技術が必要だということもだんだんとわかってきます。(当然のことのようですが、実際に始めるまでの私にはぼんやりしすぎていて何の理解もありませんでした💦)
その時の私は、「できない」ことに対して悔しい気持ちが沸々としてきて、ただその悔しさを持って少しずつですが前に進んでいました。
本格的に翻訳に関わるように
当時、パートで入った(翻訳を始めるきっかけになった)法人を一年ほどで辞め、マニュアルの制作会社に入社しました。
こちら、求人には、英語ができる人は優遇と出ていた「テクニカルライター」という職種で採用になったはずでした。
日本語を書くのは昔から好きだったし、英語も使えるのなら勉強になるし、仕事として最高だなと思いました。
が、実際に入社してみると、全体を理解しなければライターはできないからと、まずはデータのオペレーターから始めることになります。
原稿を見ながらXMLというマークアップ言語でできたデータを編集して、最終的には印刷前の本の形になったPDFを作ります。
このころは毎日夜遅くまで仕事をし、たまには徹夜、土日の出勤もありました。
未経験の仕事で、データのしくみ、たくさんの使用ソフト、印刷の知識、マニュアルの内容である機械の知識などなど、とにかく覚えることは山積みでした。
ここで様々なことを学びますが、日本語、英語のデータを編集し組版するという作業のみで、英語の勉強にはならなかったです。
しかしそのうちに、オペレーターの傍ら、小さな翻訳案件を担当させてもらうことになります。
ただ、翻訳者としてではなく、翻訳コーディネーターとして、でした。
ここから3~4年ほどはXMLオペレーターと翻訳コーディネーターとして働くことになります。
翻訳コーディネーターの仕事も、クライアントから来たデータを翻訳会社や翻訳者さんにそのまま投げ、翻訳された内容をざっとチェック、という単純なものは少なく、翻訳に出す前には原文の整理や資料の作成など、小さな案件1つについても細かな作業がたくさんありました。
このころはもう毎日ヘロヘロでした(^^;
夜ごはんは会社でコンビニのおにぎり、夜中、日付が変わるころに帰宅しシャワーして寝る。
そんな毎日。
それまでの自分を考えると、これほど頑張る生活をできる人間だとは思ってもいませんでした。
でも、学ぶことがたくさんあって、吸収していけているという実感があったこと、新たな世界に挑戦できていることが自分に前を向かせたのかな、と思います。
このころ、自分ではもう限界の生活をしていると思っていましたが・・・
しかししかし、数年後、子育てはこんなもんじゃない!!ということを嫌と言うほど思い知ることになるのですが。(笑)
それはまた別のお話^^
翻訳の基本を学ぶ
この職場には約5年在籍しました。内容の濃い5年でした。
そしてここで、私にとって翻訳の師匠とでも呼ぶべき方と出会うことになるのです!
オペレーター、翻訳コーディネーターとして働く中で、だんだんと自分で和文・英文ライティングや翻訳をしてみたいという気持ちが出てきました。
そしてその意向は上司や周りの先輩にも伝えました。
すると、納期に余裕のある少量の翻訳案件などを、時々まわしてもらえるようになりました。
基本的にはクライアントから、すぐやって!急いで!品質落とさないで!と言われるような案件に埋もれている職場だったので、実際には納期に余裕のある案件なんてとても少なかったのですが、それでも希望を伝えておけば数少ないものをまわしてもらうことができました!
私、人に恵まれていたんですね(≧▽≦)
そして・・・私が訳した文章をチェックをしてフィードバックしてくれたのが、師匠なのです!
これはもうありがたかった♡
新しいことに挑戦させてもらうと言っても、学校じゃないので。仕事ですから。
私ももちろん他の仕事たくさん持ってましたが、他の皆さんも当然忙しく仕事されてます。
なんでもかんでも聞いたり相談したりできない中、手探りで不安しかありませんでした。
でもそんな私の怪しげな仕事を、きちんとチェックしてコメントを付けて返してくださった方がいたのです!
もう1つ1つが身に染みて、目からウロコのような教えばかりでした!
件数も量もかなり限られたものでしたが、その数少ない案件の中で、翻訳の基礎をすべて教わったような気がします。
ちなみにこの方も時を同じくして退職され、私よりも先にフリーランスの翻訳者としてお仕事をされています。
今でもときどき連絡を取って、情報交換(もらうことばかりな気が・・・(^^;)しています。
紆余曲折の日々
このころになると、プライベートなことでは、結婚、長男の出産、次男の出産と人生の大きな転換期に入ります。
その中で育児休暇、退職、在宅翻訳に挑戦、と紆余曲折することになります。
結果的には在宅翻訳はうまくいきませんでした。
その時は子育てしながら在宅で仕事なんて理想的!!と思っていました。でもそれは甘々の考え。
正直、会社は休めば誰か代わりにやってくれるけれど、一人で仕事をするということは、一度受けた仕事は何があろうと自分ひとりで納期までに仕上げないといけません。
子どもが熱出して泣いてても、夜寝てくれなくても、頼れるのは自分しかいないのです。
保育園に行き始めたばかりのころは本当によく熱を出したり吐き戻したり、体調を崩します。
長男が1歳で次男がお腹にいるころ、前の会社から、(私が翻訳初心者のため)品質はそこそこで良いというありがたいお仕事を受けたのはいいのですが、長男くんが体調を崩し保育園をほぼ1か月近くお休みし、毎日グズグズと機嫌の悪い中、昼間はおばあちゃんたちに来てもらって、大きなお腹でヒーヒー言いながらなんとか仕事をしました。
その時に痛いほどわかりました。自分で仕事するってそんなに甘くない!と。
そしてもう1つ、一番大きな要因は、やっぱり自分の力が全然足りてなかったこと。
なんとか経験積んでいけば・・・と思っていましたが、まだ早かったようです。
(先にフリーランスでやっておられた師匠からは、まだもうちょっと経験必要やと思うよって言われてました。(^^;)
でもなんでもやってみないとわからない。
経験してみないとわからない。
今、こうして在宅仕事を始めてみて、この失敗の経験は無駄ではなかったと痛感します。
皆さん、なんでも挑戦してみましょう^^
翻訳の経験を積む
ではどうやって経験を積むのか?
どこか会社に属して翻訳をするのです。
毎日翻訳の仕事があり、それを上司や先輩や仲間がチェックしてくれる環境に身を置くということ。
次男くんを保育園に入れるタイミングで、家の近くで派遣やパートのお仕事を探しました。
いくつかありましたが、子育て真っ盛り、そしてそれを優先したいという気持ちが大きく、さらには翻訳の経験もほとんどないと言っていいくらいのレベル・・・。
なかなか難しかったです。
が、なんと!!!いろいろとアンテナを張り巡らせているうちに、家から歩いて10分もかからない場所で、日常英会話程度の英語力でよく、パートで翻訳をさせてくれるという私にとって好都合すぎる求人を発見!!!!!
すぐに電話をかけ、面接に行き(翻訳とスピーキングの試験がありました。)、無事に採用となりました~!
採用してもらえた要因としては、小さな会社だったのでライバルが少なかったのもあると思います。
ここでは日英、英日とも、翻訳の経験をじっくり積ませていただきました。
Mockはここで、なんとか在宅フリーランスへの道筋を作ることができたのでした。
最近のコメント