翻訳コンテスト

2019年夏号
誌上翻訳コンテスト児童書編を掲載

初めての翻訳コンテスト!

Mockは現在、ゲーム関連の会社から主にお仕事をいただいております。
そして、そもそも翻訳を始めるきっかけとなったのは、マニュアルの制作会社に勤務していたころ、XMLオペレーターをしながら、マニュアルのローカライズをする、翻訳コーディネーターというお仕事も始めたことでした。
この辺のことは追々記事にしていくとして・・・
マニュアル系の実務翻訳の経験もあり、フリーランスとしてすでにお仕事も始めている。
じゃあなんで翻訳コンテストを受けようと思うのか?
それは、出版翻訳、それも絵本児童書の翻訳をやりたくて、いつか自分が翻訳した絵本児童書が世に出ることを夢見ているからなのです!

で、まだパート翻訳者をしていた昨年の夏、何か手始めに挑戦できる翻訳コンテストはないかなぁ~とネット検索していて見つけたのがこれ↓


通訳翻訳ジャーナル

通訳翻訳ジャーナル2019年夏号の誌上翻訳コンテストが、「児童書」だったのです!
こちら、応募は無料ですが、もちろんこの本を購入しないと応募できません。
価格は1200円(税抜き)。そして添削者のコメントである講評が出た2020年冬号も購入したので、かかった費用は2400円(税抜き)です。

でも、翻訳に興味のある人には本自体の内容も役に立つのでコンテスト応募のためだけの費用にはならないですよね。
私も普段こういった本や雑誌を買ってまで読むことはなかったので、読んでみるととても興味深くてよいきっかけだったなと思いました。

やってみた感想のまず1つ目は・・・楽しい!!
こんなのが仕事になれば本当に楽しいだろうなぁ、でした。
だから希望者も多いし、かなりの狭き門なんですよね。

さあ、これで初めて児童書というものの翻訳に挑戦したわけですが、なかなか難しいものでした。
児童書というのは、当然ながら読み手は子どもです。
ということは、まずはターゲットを何歳、または何年生の子どもとするのかで、内容は変わってきます。
読める漢字、理解できる言葉の範囲が年齢によってぜんぜん違うからです!
以下に私が翻訳するときに苦労した点をまとめます。

  • ターゲットに合わせた漢字の使い方
  • ターゲットに合わせた言葉選び
  • 登場人物の名前
  • 登場人物の話し方(キャラクター設定)
  • 造語の訳し方

正直、子どもが読む読み物ですから英語自体は難しくないし、簡単に読めます。
でもそこからが大変。
この漢字は使える?この言葉は難しい?でもちょっと難しいぐらいの言葉にこの本で初めて出会うって素敵じゃない??などなど、いろんな思いが巡り、「よし、これでOK!」にはなかなかたどり着きません(^^;

何年生で習う漢字かを検索できるサイトがいくつかありました。
漢字検索システム(2020 対応版)
http://denki.nara-edu.ac.jp/~yabu/edu/kanji/kanji3.html
ieben 家勉キッズ↓
https://ieben.net/syou-kanji/gakunen-check/

さて、何年生をターゲットとし、その学年ですでに習っているとわかっても、漢字が多すぎると子どもたちは楽しく読めませんので、見た目に読みたくなる漢字とひらがなバランス、というのも大切だと思います。
今回、警察・探偵系の事件が起こるお話だったので、 私は 警察関連の言葉は少々難しくても漢字にしてルビ(読み方を漢字の横に小さく表記したもの)を振り、その分、文章のバランスを見て簡単な漢字もひらがなにする、としてみました。
ただ、これは講評を見る限りはあまりよくないやり方だったように思います(^^;

今回の講評は個人的にはいただけませんでしたので、全体のものになります。
それでも私にとってはすごく勉強になり、なるほど!その視点が抜けていた!など、さまざまな気づきもありました。
以下、目からウロコだった2点です。

  • 主人公の「Detective Paw」の訳について
    迷いに迷った挙句「イヌガタ警部」としましたが、講評の中で(私個人にではなく全体のものだったにもかかわらず!)『「イヌガタ警部」としている方もいましたが、ちょっと和風すぎるように思います。』とコメントがありました。確かに!翻訳書は海外の雰囲気を味わえることもその魅力ですから、主人公が日本人を彷彿とさせる名前では魅力半減です・・・。
  • 「Porke power car」の訳について
    ブタの銀行支店長の金ピカ車の名前です。「Porke」がなんなのか、私にはさっぱりわからなかったのですが、「ポルシェ」と「ポーク」(ブタ)をかけた造語だったんですね。そこからみなさん、ポンダ(ホンダ)、ハイブタット(ハイブリッド)、メルセデス・トンツ(メルセデス・ベンツ)など、いろんな訳を編み出されていたようです。

他にもたくさん勉強になったことがありました!
皆さんも一度、自分のやってみたい翻訳コンテストを見つけて挑戦してみてはいかがですか?

次回は いたばし国際絵本翻訳大賞 2019に応募したお話です♪

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