日本語スタイルガイド 第2版
編著:一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会
発売日:2011年4月1日
ジャンル:日本語スタイルガイド
その他:テクニカルコミュニケーター協会の実施する、テクニカルコミュニケーション技術検定試験の3級、テクニカルライティング試験のための本。第1版は2009年発売、2020年8月現在、第3版まで出版されている。
これは私がマニュアル制作会社に勤めていた、2012年に受験した日本語ライティング試験のために購入した本です。
これはぜひ、ぜひとも、仕事で少しでも日本語を書くことがある方には読んでいただきたい!
分かりやすい文章とはどんなものか、どういう目線でものを書くのか、そのために具体的にどういったルールに基づき、どういった書き方をするのがいいか、という内容が詰まっています!!
そもそもテクニカルコミュニケーターとかテクニカルライティングってなんやねん?!という方もたくさんいらっしゃると思います。
私もマニュアル制作会社で仕事をすることがなければ、一生聞いたことのない言葉だったかもしれません。
簡単に説明すると、マニュアルを制作する時に、機械なりなんなり、マニュアルを必要とするモノを持つメーカーさん(とは限らない場合もあるかもですが。)と、実際にマニュアルの中身を書くライターさんや、その後、それを本の形まで持っていく制作のオペレーターさんとの間に入ってスケジュールや内容などの調整を行う役割の人をテクニカルコミュニケーターと言います。で、マニュアルなどの技術的な内容を書くライターさんが使う技術がテクニカルライティング技術と言えると思います。
え?じゃあめっちゃ特定の人に限られた技術で、一般の人には関係ないのに、なに勧めてくれてんねん!と思ったあなた。ちょっとお待ちください!(笑)
これね、実際その試験のための本として売られていますし、基本的にはマニュアルを書くことを前提に話されていますが、読むと本当に普通に文章書くためにも勉強になることばっかりなんです!
私はこの本に出会って、どんなものを書きたいか明確に意識しながら書けるようになりました。
例えば・・・
- 主語に付ける助詞の「は」と「が」の違いはわかりますか?
- 漢字で書くか、ひらがなで書くか、迷ったことはないですか?
- 書く前に読み手がどんな人か想像し、情報を整理して論理的に説明できますか?
- 2つの意味に受け取れるような文章になっていませんか?
上記のことがわからなければ日本語が書けない訳ではないですが、知っておくと読み手が理解しやすい文章が書けます。
また、もちろんなんでもかんでもこの本の通りに書けばよいというわけではありません。
大前提として、技術文書を書くための技術ですから、例えばこのブログに全部当てはめて書くわけにはいきません。
そもそも日本語には「!」や「?」は付けませんが、あった方が読みやすく楽しい親しみやすい雰囲気になります。漢字の使い方でも、基本的には全体を通して統一しなければなりませんが、漢字ばかりやひらがなばかりが並びすぎると読みにくい場合もありますから、前後のバランスを見て調整が必要なタイプの文章もあるでしょうし。
でも、なんとなく「こんな感じ?」と書き始めるよりは、この本の内容を分かった上で崩すところは崩す、と目的に応じて書けるのはずいぶん違ってくるだろうと思います。
私は現在、マニュアルとは程遠いゲーム関係の翻訳を主にしていますが、それでもやっぱりこの一連のルール、文章に対する考え方を読んだことは大きな意味があって、直接ではないにしろ確実に活かせていると感じています。
どんなジャンルであれ、これから他の言語から日本語への翻訳を志される方、それ以外の方も、ぜひ一度読んでみていただきたいです。
ちなみに2012年の3級試験は無事合格しました~!
履歴書にもしっかり書かせていただいておりますが、たくさん受けてきた面接などでそれについて触れられたことは未だありません(^^;
が、私の密かな誇りではあります。
受験させてくれた当時の会社、上司、ありがとう!(笑)
※現在、試験の内容や1級、2級、3級などの区分けなど、2012年から変更になっている可能性があります。
ご興味のある方はご自身で調べていただけますようよろしくお願いいたしますm_ _m
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