翻訳百景
作者:越前敏弥
発売日:2016年2月10日
出版社:角川新書
ジャンル:実用書
その他:ミステリー作品を中心とした文芸翻訳家、越前敏弥氏のブログ同タイトルの著書。ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』は、日本でも大ヒットしたことは記憶に新しい。
こちら、絵本翻訳に向かって動き出すことを決めてすぐ、「絵本翻訳教室へようこそ」の次に読んだ本。
とにかく文芸翻訳(出版翻訳)のことを少しでも勉強していかないとと思ってAmazonで関連する本を検索していた時に見つけて購入しました。
文芸翻訳についていろいろと勉強になったのはもちろんですが、私にビビッときたのは本についている帯の言葉でした。
表は「名訳はこうして紡がれる。ベストセラー秘話、勉強法、訳出の心得・・・」などとあり、裏面には・・・
- もっとも必要なのは英語が好きであること
- 難解な言い回しはできる限りやさしく言い換える
- 長い英文は短く切って読みやすい日本語にする
- 英語のことわざは日本語にあることわざに変える
- 同一単語には常に同一訳語を当てはめるべきである
上記のリストの内容は、「(文芸翻訳では)正解ではない。」と書かれていました。
私がビビッときたのは1つ目。「最も必要なのは英語が好きであること」が否定されていたことでした!
翻訳の仕事に関わるようになって、周りの先輩や仲間の多くは、語学が好きで語学の勉強を専門的にしたことのある人でした。
私のように、特に英語が好きなわけでもなく、これまで専門的に勉強したことのない人間はなかなかいませんでした。なんとなく成り行きで翻訳関連の仕事をしていたけれど、私、別に英語が好きなわけじゃないしな~みたいな気持ちがあり、それが元々ズボラなMockをますますいい加減にしていたように思います(^^;
でも!英語好きじゃなくていいんや!と思ったら目の前がぱぁっと晴れていく気がしたんですね。(単純!)
そして、日本語が好き!日本語にとても興味がある!英語はちょっとだけ得意!それでよしっ!と納得しました♪
この時に「翻訳をやっていくんだ」と覚悟を決めたのだと思います。
ぜんっぜん本の内容を紹介していませんが。(笑)
著者の越前敏弥さんはミステリー作品を中心に翻訳されています。また自身の翻訳だけではなく、翻訳学校で教えたり翻訳サロンを立ち上げたり、いろいろと精力的に活動されているようです。
翻訳家の仕事とはこういうものだ、というところから始まり、様々な活動の内容や裏話も盛りだくさん。また、翻訳書への愛と情熱を持って活動されている様子がよくわかりました。
絵本や児童書の翻訳出版を目指すMockにも勉強になることだらけの内容でしたよ!
児童書としては「思い出のマーニー」を訳されていて、何人かチームを組んで、忙しい中、短期間で翻訳を仕上げられたということでした。その話もとても興味深かったです!!
この本を読むことで自分はまだまだだなぁと実感しつつ、どう進むべきかを具体的に示してもらったようで、ボチボチながら前に進んで、いつか1冊を出版できたらなぁとやる気をもらったのでした!
本の中で紹介されていた「やまねこ翻訳クラブ」をご紹介します。
http://www.yamaneko.org/
「こどもの本と翻訳を愛する会員」さん方が運営されているサイトです。
翻訳に興味のある方はいろいろな情報が手に入りますよ!
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