翻訳の授業

作者:山本 史郎
発売日:2020年6月30日
出版社:朝日新書
ジャンル:実用書
その他:副題は「東京大学最終講義」。東京大学名誉教授、英文学者、翻訳家である著者の40年の翻訳研究、魂の集大成。

翻訳の授業 東京大学最終講義

子どもの習い事に送って行って、待ち時間にフラっと入った本屋さんで見つけました。
積読本も山積みでしたし購入にちょっと迷ったのですが、結果的には買って大正解でした!
表紙の言葉、「AIにはけっして真似できない、深い深い思索の冒険」、「めくるめく翻訳の冒険に、いざ出発!」これだけでもうワクワクしてきますよね♪

これは私が触れた初めての「翻訳論」です。
読んでみるまでは、「翻訳論」というものが世の中に存在していることにすら気が付かないくらいでした(^^;
(大学などで語学を学んだ方にとってはあり得ない話ですよね!)
そして、「論」を学ぶこともとても大切だと改めて感じました。
特に、作者の方が研究者というだけでなくご自身も翻訳家でいらっしゃるから、というのもあるのでしょうが、確実に実践の翻訳に結びついてくる内容です。

ほとんどが文学的書物についてでしたが、終わりの方で少し実務翻訳に関わるような話も出てきました。
ほんの少しでしたが、これまでなんとなくやっていたことが論理的に簡潔に説明されていて、今後の実務翻訳では、作業の過程を意識して取り組める(=早く正確にできる)ようになるんじゃないかと思っています。

講義の中にはさまざまな文学作品が登場します。
昔からお勉強が苦手なMockとしてはちょっと難しい表現もあり、同じ箇所を繰り返し読んだ箇所もありましたが💦とにかく何もかも身に沁みました。
出てきた中では前から読みたいと思っていた「赤毛のアン」、「ハックルベリー・フィンの冒険」などに加え、作者が翻訳を手掛けられた「ホビット」も積読本に加わりそうです!
やっぱり児童書、YA(ヤングアダルト)あたりが好きなんです♡

そして心に残った言葉。
翻訳者は吝嗇ではいけない。
恥ずかしながら、吝嗇(りんしょく)という言葉がわからず、すぐに調べました。


吝嗇(りんしょく) ひどく物惜しみする・こと(さま)。けち。(三省堂 大辞林 第三版より引用)

思い切ってバッサリいく勇気も必要だという事でした。心に留めておこうと思いました。
翻訳に携わる方には、客観的にさまざまな翻訳方法を確認でき、実践にまで落とし込めるとても良い本ですよ。

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