さて、乳がん疑いから始まり、確定してさまざまな検査を経て手術に至るまで、以下のような流れでした。
2021年8月16日 市の乳がん検診(マンモ)
2021年8月28日 コロナワクチン1回目
2021年9月7日 市の大腸がん検診
市の子宮がん検診
2021年9月10日 乳がん検診(エコー)
2021年9月13日 乳がん針生検
2021年9月17日 針生検結果→乳がん確定
2021年9月18日 コロナワクチン2回目
2021年10月6日 乳がんCT検査(造影剤)
2021年10月7日 乳がんMRI検査 (造影剤)
2021年10月13日 整形外科受診→リウマチ確定
2021年10月28日 乳がん遺伝子検査
8月終わりにコロナワクチンをしたのが左腕でした。
左胸にガン疑いのものが発見され、わきの下のリンパ節に転移があるかどうかもエコーで見ていただくのですが、ワクチンの影響でリンパが腫れる、つまり転移しているのと似た状態に見えるそうで、何度も確認していただき、腫れはあるけど多分大丈夫だと思うけど・・・とのことでした。
10月のCT、MRI検査で他の臓器などへの転移も見られないことがわかりかなりホッとしました。
前の記事でも書いた通り、悩んだ末に手術は少し遅くなるけれど遺伝子検査もすることにしました。
ここでも陰性でまたホッとしました。
そして11月の始めに左胸全摘出、自家組織(背中の筋肉)を使用した一次再建をすることになったのです。
目次
入院までの日々
手術を待つ日々はなかなかに長いものでした。
大人になってからの1か月や2か月なんて普通ならあっという間ですが、体にガンがあっていつ全身に転移するかわからないと思うと、眠れない日も、隠れて泣く日もありました。
再建についても本当に悩みました。
背中にいらない傷を作ってまで必要なことか?と何度も考えましたが、自分や子どもたちの気持ちがどう転ぶかは正直やってみないとわからない。
いつまでも悩んでいるわけにもいかず、覚悟を決めたのでした。
入院ー手術前日
そして11月上旬。
子どもたちのご飯はじめ生活のこと、学校や保育園のこと、夫と義両親に段取りを伝えお願いし、学校や保育園の担任の先生たちにも事情を伝えその間の緊急連絡先の変更や、何かあった時のフォローなどをお願いし、その日までにすべてを整えて・・・
のはずが、前日に長女が背中がかゆいとなかなか寝られず。
朝見てみると少しブツブツができていたので念のため午前中に皮膚科へ。
すると水ぼうそうとのこと!!!!!Σ(゚д゚lll)ガーン
長男、次男は予防接種時期の前に罹患しえらいことに。
(それとは様相がまったく違ったので気が付かなかった!)
長女、次女はちゃんと予防接種済みだったのに!
なんでかしっかり免疫付いてくれなくて軽~くかかってしまったのだそうで。
最後の最後までバタバタやな~と言いつつ、水ぼうそうの長女を義両親に預け
仕事を休んでくれていた夫くんとふたりでゆっくりランチを食べて病院に向かいました。
ここまで来ると私、正直ホッとしてむしろ気分はウキウキくらいまでいっていましたw
子どものお世話もなく、ひとりでゆっくり本を読んだりテレビを見たり。
ご飯も勝手に出てくるし。
そしてガンを取ってもらえるんだ!
すべてから解放される1週間(予定)。
手術が怖い気持ちもあったけれど、これまで双子の早産予防の手術、緊急帝王切開と2度の手術も経験していたので、だいたいの流れはわかっている。
帝王切開の傷に耐えながら、入院している双子のためにせっせと母乳を絞り毎日病院まで運んだあの日々を思えば、悪いもの(ガン)取ってもらって一人でのびのびできる1週間は、なんならご褒美くらいにも思えたのでした。
入院病棟にて
さて病院に着いたら夫くんはこのコロナ禍で中にも入られず、病室で完全に1人。
張り切ってたくさん持って来た本たちを早速カバンから出して、来てくださった看護師さんと話をする流れで長女の水ぼうそうの話をすると・・・。
看護師さん:え?お母さんは大丈夫なの??
私:え?何がですか?
看護師さん: お母さんは免疫ある?
私:いや、かかった記憶はありませんけど、上の子2人赤ちゃんの時にガッツリ罹ってお世話したけど移らなかったので免疫はあると思うんですけど。
長女のは本当に何か所か赤いブツブツがあるだけでそんな移りそうもない様子でしたけど。
看護師さん:ちょっと先生と相談してくるから待っててね。
え~!そっか!!水ぼうそうって感染症やもんね💦
でも病院入る時も入院病棟に入る時も聞かれるのはコロナの事ばかり。
こっちも自分の事に必死でここまで来てるし、家族が水ぼうそうになりましたか?って質問してくれないとそこまで頭回らんよ~
しかも入れられた病棟が産婦人科病棟。
大部屋で妊婦さんも一緒ときたもんだ。
すぐに追い出されました💦
Mockも妊婦さんに移して取り返しのつかないことになったらと思うとめちゃくちゃ怖かった。
でも、うちには小さい子が4人もいることを知っているんだから、私が家を出るまでにギリギリ発症してなくてもいろんな感染症に罹っている可能性は他の人より高めなんだからそもそも妊婦と一緒の部屋にいれないでよ~とも思いました。
まあでも、そんなこと言い出したらおばあちゃんでも誰でも何かの感染症に罹っている可能性は否定できないし、やっぱり私が病棟に入る前に気が付いて申告すべきだったのか。
いくら言っても仕方ない。
そこまで気が回らなかったし、病院もコロナ以外のことを聞いてはくれなかった。
結果、私にも誰にも移ってなくてよかったね、という話にはなるのですが。
手術、どうなる!?
すぐに産婦人科病棟から追い出されたMockは違う病棟の個室に一時待機を言い渡されました。
夕方、手術前のエコー検査や*センチネルリンパ生検のための注射などで乳腺外科の外来へ移動し、そこで主治医の先生と話ができました。
まずは私の母に電話をして母子手帳で水ぼうそうのワクチン接種済みかどうかを確認してもらうことになりました。
母は当時は1人で祖母の介護をしていました。
精神的に弱く、時々パニックになったりうつ状態になったりする人でしたからMockの乳ガンのことは話していませんでした。
そのため、何でもないことかのように元気な声を振り絞って、適当な理由を付けて明るく母子手帳の確認をお願いしてみました(^^;
が、やはり「ごめん、私わからない・・・」の一言。
うん、だいたい想像ついてた。
なんとかやってみようとも思わないんだよね。
自分の事でいっぱいいっぱいだもんね。
電話を切り、先生から、免疫が確認できなければ手術はできないと告げられ、
その場で思いっきり声を上げて大泣きしました(´;ω;`)ウゥゥ
乳腺外科の主治医、形成外科の主治医、エコー技師さん、看護師さんなどもいらっしゃる中でした。
大人になってあれほど声を上げて泣いたことは初めてでした。
貧血で倒れる前みたいに、めちゃくちゃに酔っぱらっている時みたいに、周りの景色は目には映っているけれど、その時の私には見えていませんでした。
形成外科の先生が、
「今はつらいけど、一番良いタイミングってあるから、結果的にはこれで良かったってなるかもしれんよ。」
と慰めてくれました。
が、Mockの心にその言葉が響くことはありませんでした。
やっとのことでここまでこぎつけたのに。
周りの人たちみんなに協力をお願いしてやっと来たのに。
ガンが取れるはずだったのに。
迷いに迷って何とか覚悟して決めた再建手術だったのに。
自分でも驚くほど気が張っていたのだろうな。
しんどいところをいっぱい乗り越えての入院。
やっとしてもらえるはずの手術。
全部が振出しに戻り、この世の終わりのように感じていました。
*センチネルリンパ生検
乳房からリンパ節への転移の有無を確認するために、手術中に行う検査。
センチネルリンパとは乳房から乳ガン細胞が一番最初にたどり着くわきのリンパ節で、前日に注射で特殊な薬を入れてセンチネルリンパを光らせ、手術中にその数個を切除して検査に出す。
手術中に結果が出て、転移なし、または転移ガン細胞が規定の数内に収まっていればリンパ節郭清(切除)をしない。(規定範囲内であれば郭清するデメリットの方が大きいと言われている。)
退院
しばらく大声で泣きまくって、落ち着いたら退去を言い渡されました。
明日の手術ができなくなったので、当然すぐに退院ということになります。
気持ちは本当につらく、なかなか受け入れられなかったのですが、現実は待ってはくれません。
ただ荷物をまとめ、夫が迎えにくるのを待ちました。
帰宅すると、下の子どもたちは喜んでくれました。
1人で過ごす1週間をあれほど楽しみにしていたのに、やっぱり子どもの顔を見るとうれしくてホッとしました。
でも、その夜、いつもは布団に入るとすぐに寝息を立てる長男の様子が少し違っていました。
いつまでも目を閉じず、ゴソゴソしたり天井を眺めたり。
「どうしたん?寝られへん?」
と声をかけると、
「手術が遅れてママの病気が悪化したらどうしてくれるんやろ」
と。病院に怒ってくれていました。
病院が悪いんじゃないんだけれどね。
母を想ってくれる気持ちがうれしかった反面、心配や辛い思いをさせて申し訳ないと思いました。
この時はまだ「ガン」という病名は子どもたちには伝えていませんでした。
悪いものができたから取ってもらうとだけ伝えていたのです。
病名を伝えたのは抗がん剤治療をしなければならないとわかってからです。
それでも、大人の様子からただ事ではないと4年生の長男は感じ取っていたのでしょう。
今回は手術がキャンセルになった残念な出来事を綴りました。
次のステップはまた振出しに戻った手術日決定。
辛い日々は続きます・・・。
ここまで読んでくださってありがとうございましたm_ _m
コメントを残す